IT促進、国際交流に打撃 飯塚市マルテック社長ら逮捕
技術者として来日したカンボジア人をスーパーで働かせていたとして入管難民法違反(不法就労助長)の疑いで、飯塚市の情報技術(IT)会社「マルテック」社長の林維毅容疑者(39)=同市下三緒=ら4人が逮捕された事件は、ITによる産業振興を図る同市で、留学生の支援に携わる市民らにも衝撃を与えた。一方で、短期間でビザが取得できるシステムへの疑問の声も上がった。
飯塚市内に住む外国人と市民の交流促進を目的に活動する市民団体「飯塚友情ネットワーク」の縄田修代表(67)は「大学卒業後、母国に帰国する留学生が多い中で、飯塚に残って活躍する林君に期待を寄せていた。それだけに、今後の活動にとって打撃。容疑がうそであってほしい」とショックを受けた様子。「事件によって、外国人に対する偏見が広がりかねない。さらに、飯塚が推進するIT産業にも痛手だ」と市の国際交流や産業政策への影響を懸念する。
16年ほど前から留学生の支援をしている山元将生さん(78)=同市横田=は、林容疑者の学生時代に引っ越しを手伝うなど親交があった。「6月に会った際は、肩を抱き寄せて懐かしそうにあいさつしてくれた。好青年で、留学生の期待の星だったのに」と容疑が信じられない様子。
マルテックは、国の地域再生計画に基づく支援措置の対象として認定されており、認定企業は外国人のIT技術者を受け入れる際、入国審査は通常より短期間で済む。同市吉原町の飲食店経営福澤裕史さん(30)は「なぜ簡単にビザが下りたのか疑問。技術者として入国する際に試験はないのか。また、事後調査をすれば容易に判明したはずだ」と制度に疑問を呈した。
=2010/10/19付 西日本新聞朝刊=
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